ある日、僕はインドネシア人の友人から夕食のお誘いを受けました。
「へへ〜、今日は松川さんに面白い食べ物を紹介するね〜」
と連絡があり、何だろうと思いながらその日の夕食を楽しみしていました。
インドネシア人の友人はとても気さくな人で、僕らが知らない日本語も
知っているほどとても頭のいい人でした。彼女の名前をここではCさんと
しておきます。彼女とはなんだかんだで長い付き合いです。初めて会ったのは
ラジオ番組のゲストさんとして局に来てもらった時でした。
僕がインタビューアーで彼女がゲストさん。初めっから気さくさを快調に
飛ばしていた彼女とはなんだか長い付き合いが出来そうな気がしていたのを
今でも思い出します。
そんなCさんが招待してくれた場所にいよいよ行く時になりました。
ディナーをみんなでということもあって、人も集まるということでとても
楽しみでした。そして、インドネシア料理をごちそうになっている最中、
Cさんが持って来てみせたのは!!
「インドネシア納豆」!!!
by mariaboismain"So much better than chicken"on Flickr's CC
え〜、そんなのがあるの〜?と質問をしたのを今でも覚えています。
とにかく衝撃的でした。現地では「テンペ」と呼ばれています。
テンペはインドネシアなどの東南アジア諸国で大豆などをテンペ菌で発酵させる
醗酵食品で、味は納豆に似ています。弱い臭いがあるのですが、日本の納豆
みたいに糸を引くことはないんですね。
作り方は大豆を丸ごと煮てやわらかくして、砕いてすりつぶします。
酢を加えて、テンペ菌と呼ばれるタネを混ぜます。薄くのばして30℃程度で
約24時間醗酵させる。という方法で作っていくそうです。
僕は作ったことないので、その味の違いをわかる男ではないのですが、(笑)
良いテンペでは豆が白い菌糸の層と織り合わされた状態になるそうです。
あと、アンモニア臭の少ない方が良質だそうです。
アンモニア??
そう!もちろんですよ。インドネシア版納豆ですからね。
それはアンモニア臭のような刺激的なものもあるわけです。
さぁ、友人Cに薦められ、恐る恐る口にテンペを運ぶ僕ら。心の中では
映画ジョーズの音楽が流れています。そして、テンペが舌の上に乗った瞬間!
「ん〜、これ乾燥しているだね?な〜んだ。結構おいしいよ。」
普段は日本の納豆のようにそれ自体だけをストレートで食べることはあまり
しないで、炒め物と交ぜたりしながら食べるんだけど、食べないこともないから。
ということで僕はストレートで食べたんですけど、なかなかイケル味でした。
納豆が好きな人は大丈夫だと思います。臭いが気になると思うのですが、
でも日本のものに比べたら全然。だって糸は引いてないんだもんね。
インドネシア納豆の初体験を通して知ったアジアの繋がり。やっぱり
僕らはアジア人と相通ずるものがあるのです。僕らはアジア人なのです。
西洋人には全く理解できないあの臭い。僕ら日本はアジアに向けて
「臭い外交」を進めていってもいいのではないでしょうか?笑