アボリジニーと聞くと、「オーストラリアの先住民」という言葉が出てくると
思います。
もちろん僕らもアボリジニーを見るためにオーストラリアへ渡りました。
生の彼らを見たかったのです。シドニーオリンピック以来彼らの存在というのは
広く世界に知られるようになったのですが、彼は先住民です。
なので今頃になって知られるのも彼らにとっては今さらという感じなのです。
by A. www.viajar24h.com"Australia (www.viajar24h.com)"on Flickr's CC
初めて彼らをみたのは、エアーズロックのスーパーマーケットでのことです。
僕と真美は買い物に行こう!ということでそこに向いました。店内は白人と
観光客の東洋人ばかりです。だいたい20人ぐらいですかね?店内にいたのは。
いつもと変わらない風景。見方によっては沖縄で外国人の多い中部地区のハンビー
タウンにいるような感じでした。でもある瞬間から急に空気が変わったのです。
店内に、肌の色が浅黒い人たちが数人で入ってきたのです。しかも固まってです。
で、何やら物色しているのですが、見ている物はほとんどが野菜や果物。
でも缶詰のような保存食には見向きもしません。しかもこれが強烈でした。
強烈というより僕らが勝ってにビックリしたのですが、なんと裸足だったのです。
足にはさっきまで畑に入っていました。というような足で少し土がついています。
モップで拭かれた店内の床がすこし汚れてしまいました。
表情はとても硬く、どちらかというと人を睨むような感じで人を見ます。
店員もすこし困ったなという表情。でも小銭はもっていて、ポケットから一応お金を
出し買い物はするのです。でも中には、計算ができてなく「これでは買えない」と
言われて帰されるアボリジニーもいたのです。
初体験でした。あんなにマジマジと近くでアボリジニーをみたのは初めてです。
こうやって話すとなんだか奇妙な人種を見たというような感じに捉えられてしまい
ますが、勘違いしないでください。
彼らは1993年に先住権も認められました。
ただこれまでいろんな受難がありました。多くの人から差別を受け、もともと
狩猟採取民族であるために農耕はせず、お金を貯めて生活をしていくというスタイル
でなかったために、植民地化された都市部の仕組みにうまく順応できなかったのです。
でも現在は8割が都市部に住んでいて、白人と同じ空間を共にしています。
でも、まだまだいろんな問題もあります。彼らは飲酒文化をもたないので、
都市部に出て来たことで白人が持ち込んだアルコールで依存症になり、過剰な脂質、
タンパク質の摂取。つまりジャンクフードのせいで生活習慣病になり、
中には閉所恐怖症になる人もいるのだそうです。もともと大草原で住んでいた民族
なので、人工的な建物が彼らの精神的な部分にダメージを与えていると分析した
学者がいるほどです。
でも彼らも強く生きています。政府から支給された住宅、居住区に住み、
白人たちと同化しながら仕事をもち、アイデンティティを確認する意味で
伝統文化に興じたり、ずっと伝統に固執する人もいたりとそれぞれがオリジナルな
生活スタイルを気づき始めているのです。
「アボリジニ」(aborigine)という言葉がオリジナルと同じ意味を持っている
だけに、彼らはこれから自分たちらしい生活をしていくのでしょう。
僕らはアボリジニを初めて見た時以来、夫婦で彼らを応援したいと思ったのです。