2007年12月19日

タヒチアンの優しさ

File No.12 「Teomo Charles(テアモ チャールズ)タネ」



タヒチアンの優しさ

by mm "tane&izabel"on CC




タヒチのモーレア島で友達になったチャールズ。僕らはニックネームの「タネ」と

呼んでいました。



僕らがタヒチにモーレア島に到着したのは、3年前の11月29日。

朝から情報収集に走った日曜日でした。

タヒチのパペーテで船を予約し、40分ぐらい西に行った所にあるモーレア島へ

渡るという計画だったのです。



狙いは予想外だった物価の高さを何処かの安い宿で抑えて、でも海が真ん前に

広がる場所で過ごしたいということでした。

不思議なのですが、沖縄の人ってしばらく綺麗な海を見てないと落ち着かない

んですよね。笑



なので、タヒチでも綺麗な海が近くで見たくなったわけです。

しかもちょうどホームシックになりかけな頃だったので、タイミング的によかった

のかもしれません。



フェリーでモーレアに渡ると、大量の観光客が港に溢れていました。

タクシーの勧誘をするもの、ホテルに客引きをするもの、地元の人と観光客で

ごったがえしている中、僕らはその中から抜け出し、ちょっと落ちついた場所に

座りこみました。



タヒチにまできて、ラッシュにはうんざりだったのです。

しばらくすると、人がだんだんはけてきて、辺りはすっかり静かになっていました。

タクシーもほとんどなく、バスも行っちゃって、僕らは取り残されさえしたような

感じになりました。



すると、あるタクシーの運ちゃんが近寄ってきて、「宿まで乗れよ!」みないなことを

言ってくるのです。値段を聞いてみると!「30ドル!」

「東京では、そのぐらいかけてタクシーに乗るんだろ?」というのです。



これは典型的なパターンです。

しっかりビジネスモードです。笑



もちろん、僕らは旅の達人(笑)そんな誘惑には負けません。

乗りませんでした。





すると、バスの中で寝ている人を見つけました。「あの人に相場を聞いてみよう!」

と思い、バスに近づいていきました。

(バスというかむしろトラックの荷台)




タヒチアンの優しさ

by mm "bus???" on CC



そこにいたのが、写真のタネです。

タネは宿を決めていなかった僕らに丁寧に良い場所に空きがあるか確かめて

くれて、たくさん話相手になってくれました。

バスが出発するまで時間がたっぷりあったので、いっぱい話ました。

英語とフランス語を交ぜての綱渡りな会話でしたが、いろんなことを話ました。



タネはもともとタヒチアンで、タヒチを統治しているフランス文化には馴染めない

という話や、娘のイサベルとの思い出話。タヒチの学校制度の話に、伝統的な

食べ物の話題。

もちろん、日本の話も。ポリネシア人には日本は技術大国で高度な生活をしている

ように写っているみたいです。

でも、僕らはみんながみんなそうではなくて、僕らみたいになんとか生活していて

ぎりぎりの範囲で旅している人もいるんだ。ということを話しました。



「だから安い宿を探しているんだよ。」と話すと、とても気持ちをわかってくれて、

タネと僕らの気持ちは1つになりました。



しばらくして、20人ぐらいのお客さんを乗せたタネのバスは出発しました。

途中、大雨が降り、前が見えないぐらいの状況にまでなったのですが、

バスは目的地の「キャンピングネルソン」に着きました。

一泊2000円というタヒチでは激安の宿です。

辺りはすっかり真っ暗で、不安そうな僕らにタネが気を使ってくれているのが

わかりました。



バスを降りる時、お金を払おうとすると、タネが

「No, You don’t need it. because you are friend!」

(それは要らないよ。トモダチだから)と言うのです。



涙が出そうでした。

日本という遠くからモーレアにきて、大雨に降られて、しかも夕暮れ。

不安そうにしていたのを心配して、気を使ってくれたのでしょう。

それよりも、もしかしたら、日本人はみんながみんなお金持ちではない。

という話が印象的だったのかもしれません。



バス賃は本当にわずかな金額だったのですが、でもタネの心配りに、僕らは

感動したのです。

あのKokoro配りはワールドスタンダードだと今でも思っています。



世の中みんながあのような心を配れるようになればきっと争いごともなくなる。

と思っています。

日本の反対側で受けたタネの優しさ。一生忘れません。タヒチアンの優しい

気持ちは永遠に続いてほしいです。



その優しさを僕らは可能な限りここ沖縄で返していくことが大切だとも思っています。

この年末、次々とお客さんがやってきます。



22日〜はカナダ人親子。

24日〜はスイス人男性。

28日からは、バイクで旅しているシンガポール人カップル。



まずは、目の前にある彼らへのおもてなしを着実に実行することから取り組みます。



タネが教えてくれた旅人への素敵な気配り、心に留めて国境を越えてしっかりと

恩返ししていきたいと思います。



タネありがとう。

イサベルも元気でね。大きくなったらまた会いに行くからね。

待っててね!







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Posted by 「地球一周の旅プロジェクト」 沖縄 主宰 : 松川 守 at 07:00 │【地球友達ファイル】
この記事へのコメント
それはいい話!!!
ワタシたちも友達がきたら暖かくおもてなしする心をわすれちゃいけないね。

いつでも福岡の我が家へいらしゃいな!!!
Posted by domba at 2007年12月20日 00:27
Dombaさん
必ずや福岡にいきます!
ラーメンた〜べたい!

いろんなとこ連れてって〜。
Posted by 「地球一周の旅プロジェクト」@沖縄 WTPO主宰 : 松川夫婦「地球一周の旅プロジェクト」@沖縄 WTPO主宰 : 松川夫婦 at 2007年12月21日 18:54